検査の概要
食道・胃・十二指腸の病気を発見し、適切な治療をするために行います。主に上腹部の症状、健診などに行います。
従来の健診などで行われてきた胃透視検査(バリウム検査)に比べ、直接観察が出来るため、小さい病変(早期がん)の発見に適しており、被爆もありません。検査時間は平均5-10分程度となります。ご希望の方には鎮静剤の麻酔を使い、眠ったような状態で検査を受けていただくことが可能です。当院では、次世代内視鏡システム オリンパス「EVIS X1」を用いて検査を行います。
見つかる病気
食道⇒食道がん、食道静脈瘤、逆流性食道炎など
胃⇒胃がん、胃潰瘍、萎縮性胃炎など
十二指腸⇒十二指腸がん、十二指腸潰瘍など
詳細な検査
下記詳細検査は、必要に応じて検査中に行います。
NBI併用拡大内視鏡検査(早期がん診断)
モニター上で通常の内視鏡の約100倍程度の高解像拡大画像で見ることができます。胃がんなどの腫瘍性病変は通常の胃粘膜と比較して、細胞の縁取りや内部の血管に変化が生じます。拡大内視鏡とは狭帯域光観察(NBI)という特殊な光と併せて、細胞や血管レベルで腫瘍を診断することが可能です。
これにより小さながんを発見できる確率が大幅に上がり、病変の広がりや深さをある程度正確に見極めることもできます。当院では、内視鏡検査中に必要があればボタン一つで切り替えて詳細な検査を行い、早期がんであれば内視鏡で切除することが可能です。
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD
色素撒布
小さい病変や識別しにくい病変には、内視鏡先端から目的部位に色素を散布して、病変部を目立たせて観察します。(胃粘膜の凹凸の観察にインジコカルミンという濃青色色素、食道の不染域の観察にルゴールという赤茶色の色素を使用します。)
生検
内視鏡先端部から出てくる鉗子(かんし)で病理検査(顕微鏡で見る検査)のための組織を採取し、組織学的な確定診断が可能となります。
検査の手順
前日
夕食は、午後9時までに軽く取っていただき、それ以降の飲食は控えてください。水などの水分摂取は構いません。
当日
- 食事(牛乳、ジュース、お茶なども)は控えてください。水の飲水は可能です。(ただし、降圧剤など内服薬に関しては、事前に担当医に、ご相談ください。)
- 当日の服装は身体を締め付けるもの(和服、腹巻、ボディスーツなど)は避けてください。
- 血液をさらさらにするお薬(抗凝固剤など)を内服されている方、狭心症・心筋梗塞・不整脈・緑内障・前立腺肥大のある方は問診の際にお知らせ下さい。
検査
- 検査室でガスコン(消泡剤:白い液体で胃の中をきれいにします)を飲みます。
- キシロカインビスカス(のど麻酔)を3-5分間、のどに溜めたのち、ゆっくり飲み込みます。
- 鎮静剤の注射の後、マウスピースをくわえます。内視鏡を口より挿入し、検査が始まります。
※内視鏡カメラには、経口内視鏡(口から挿入)、経鼻内視鏡(鼻から挿入)の2種類の検査があります。経口内視鏡は経鼻よりもカメラが太いため(直径1cm程度)少し苦しいのですが、より詳細な検査が可能です。経鼻内視鏡は細い分、検査は少し楽ですが、経口に比べ診断能力は劣ります。
検査後
- 飲水、食事は通常検査終了後1時間後より、摂取が可能です。
- 組織やポリープなどの組織を採取した方は、刺激のある食事、飲酒、コーヒーなどは2-3日なるべく避けてください。色素内視鏡検査を受けた方は、便が青くなることがありますが心配要りません。
- 当日の激しい運動はお控えください。またお風呂も長風呂を避け、シャワー程度にしてください。帰宅後に異常がある場合はすぐにご連絡ください。
結果説明
最終検査結果は後日となりますので、次回外来診察日までお待ちください。もし、吐き気、腹痛、タール便(黒い便)など帰宅後に異常がある場合は至急病院にご連絡ください。
合併症
検査には、細心の注意を心がけておりますが、消化管出血、穿孔などの偶発症が生じた場合、入院や緊急の処置・手術が必要となることがあります。 経鼻内視鏡で検査した際、ごく稀に回転性めまいが生じる事がありますが、多くの場合は安静のみで改善します。