〒648-0072 和歌山県橋本市東家6-7-26

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内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD

切除できる病変(適応)

胃・大腸・食道が治療の適応となります。治療が可能であるかは、内視鏡での見え方・拡大内視鏡の所見、病変の大きさなど総合的に判断します。
これまでの方法と比較して、癌が取り切れる可能性が高くなり、一括で切除できるため、術後の病理検査(顕微鏡で病変を分析する検査)も高い精度で行うことができます。内視鏡を使って行うため、お腹を切らずにがん切除ができる画期的な方法であり、当院でも年間30名以上の方を治療しております。

方法

  • 拡大内視鏡を用いて腫瘍の切除範囲を決定。
  • 局注:腫瘍の部位を含め、その周辺の粘膜下層に粘度の高い薬剤を注入して病変を浮かす。
  • 粘膜切開:ナイフ(治療用の高周波メス)で病変周囲を切り開く。
  • 粘膜下層剥離:ナイフを使って病変を少しずつ剥ぎ取り、剥離中に血管や 出血を認めれば、出血予防のために止血鉗子を使って凝固処置。
  • 切除:病変を最後まで剥離するか、最後に金属の輪(スネア)を用いて切除。切り取った後は潰瘍になります。出血の可能性のある血管を処理して手術は終了。
  • 腫瘍摘除が困難と判断した場合(腫瘍が予想より深く浸潤もしくは、線維化が強い、大きな偶発症が起こった)は途中で治療を中止する場合があります。

早期胃がんESD

早期大腸がんESD

手術日程

  • 胃・食道手術の場合は手術当日に入院、大腸の場合は手術前日に入院していただき、下剤でお腹の中をきれいにしていただきます。
  • 手術は病変の場所や大きさにもよりますが、多くの場合は、1時間前後で終わります。
  • 病変を切り取った場所は、人工の潰瘍になります。術後2日程度は絶食、その後は、経過により順番に流動食から召し上がっていただきます。
  • 平均1週間前後で退院することが可能です。

合併症(全体で3.13%)

  • 術後出血:4-5%程度
  • 消化管穿孔(せんこう)(消化管に孔が空いてしまうこと):1-2%程度
  • 腹痛
  • 治療に使用する薬剤によるアレルギー(気分不良・嘔気・ショック)

以上のような合併症が予想されますが、当院では合併症の確率は低く安全な治療を心掛けております。

病理検査・追加治療

切除した病変を顕微鏡で詳細に確認します。この検査結果により病変の深さやリンパ節転移の可能性などを検討し、治癒切除しているかどうかを判断します。病理検査は結果は、治療後10日前後かかります。

術後の注意事項

  • 退院後2-3週間は消化に良い食事を心掛け、刺激の強いもの、アルコール、脂っこいものなどは控えてください。
  • 安静を心掛け、激しい運動(ジョギング・ゴルフなど)や出張・旅行などの遠出は控えて下さい。
  • お風呂も長風呂を避け、シャワー程度にしてください。身体を暖めることで出血のリスクが増えます。

術後出血・穿孔・腹痛

前述した合併症は術後1-2週間程度は起こる可能性があります。当院でも万全の止血処置など合併症に対する予防はしておりますが、万が一腹痛・下血・発熱などの症状が見られた場合は、すぐに当院に連絡してください。


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