検査の概要
大腸と小腸の病気を発見し、適切な治療をするために行います。主に便潜血の精査・下腹部の症状、健診などに行います。なお、当検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸や小腸に発生した病気を診断します。
ポリープなどが見つかった場合はその場で切除することも可能です。
内視鏡的粘膜切除術EMR
検査時間は平均10-20分程度で、ご希望の方には鎮静剤の麻酔をかけ、眠ったような状態で検査を受けて頂きます。
検査の麻酔
PCF-H290ZIの内視鏡を用いて検査を行います。
見つかる病気
大腸ポリープ、大腸がん、大腸憩室、炎症性腸疾患:IBDなど
詳細な検査
NBI併用拡大内視鏡検査(早期がん診断)
モニター上で通常の内視鏡の約100倍程度の高解像拡大画像で見ることができます。胃がんなどの腫瘍性病変は通常の胃粘膜と比較して、細胞の縁取りや内部の血管に変化が生じます。拡大内視鏡とは狭帯域光観察(NBI)という特殊な光と併せて、細胞や血管レベルで腫瘍を診断することが可能です。
これにより小さながんを発見できる確率が大幅に上がり、病変の広がりや深さをある程度正確に見極めることもできます。当院では、内視鏡検査中に必要があればボタン一つで切り替えて詳細な検査を行い、早期がんであれば内視鏡で切除することが可能です。
拡大内視鏡
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD
色素撒布
小さい病変や識別しにくい病変には、内視鏡先端から目的部位に色素を散布して、病変部を目立たせて観察します。(胃粘膜の凹凸の観察にインジコカルミンという濃青色色素、食道の不染域の観察にルゴールという赤茶色の色素を使用します。)
生検
内視鏡先端部から出てくる鉗子(かんし)で病理検査(顕微鏡で見る検査)のための組織を採取し、組織学的な確定診断が可能となります。
検査の手順
前日
- 大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空になっていなければ、確認することができません。検査予約時に渡される下剤の飲み方の説明書に従って準備してください。前日の下剤は自宅で服用して頂きます。
- 前日の夕食はある程度の制限がありますのでご注意ください。当日の朝食は食べられません。
当日
- 自宅で服用して頂くことも可能ですが、朝08:30頃病院へ来ていただき、当日分の下剤を内服して頂くことも可能です(2L程度)。便がきれいになった段階で検査を始めます。
検査
- 横になった状態で検査を受けて頂きます。鎮静剤を希望の方は注射をしたのちに、検査が始まります。検査の途中で、体の向きを変えたり、おなかを圧迫されたりすることがあります。
検査後
- おなかが張って来ますので、ガスをどんどん出してください。時間が経つにつれ、楽になります。
- 組織やポリープを採取した方は、医師の指示により一定期間、消化の良い食事をとってください。刺激のある食事、飲酒、コーヒーなどは2-3日なるべく避けてください。
- 検査後、便に少量の血が混じることがありますが心配いりません。ただし、出血量が多くなかなか止まらない場合や、痛みが続く場合はご連絡下さい。
- 当日の激しい運動はお控えください。またお風呂も長風呂を避け、シャワー程度にしてください。帰宅後に異常がある場合はすぐにご連絡ください。
合併症
組織検査のため一部を切り取り調べます。また、細心の注意を心がけておりますが、ポリープの切除などの治療を行った際、ごくまれに出血や穿孔(腸に穴があくこと)などの偶発症を起すことがあります。万が一偶発症が起きた場合、入院や緊急の処置・手術が必要になることがあります。