検査の概要
胃カメラの先端に搭載された超音波の装置で、通常の画像検査では診断することのできない膵臓・胆のう・胆管の早期がんなどの小さな病気を発見する検査となります。体表面からの腹部超音波検査(エコー)と違い、消化管内の空気や脂肪などにより、画像が不鮮明になることがないため、5mm程度の早期膵がんも発見することができます。検査は通常の胃カメラとほぼ同様です。カメラが通常の胃カメラよりやや太いので麻酔をかけて点滴をしながら検査を行います。
検査時間は10-20分程度です。合併症については、通常の内視鏡検査と同様です。OLYMPUS EU-ME2 PREMIER PLUSという最新の超音波機器を用いて検査します。
見つかる病気
膵臓:膵臓がん、慢性膵炎、膵のう胞性疾患など
胆のう:胆のう腫瘍、胆のう結石、胆のうポリープなど、胆のう結石
胆管:胆管がん、総胆管結石など総胆管結石(5mm)
詳細な検査
※下記の検査を必要に応じて検査中に行います。
EUS-FNAB:超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診・生検(膵臓組織検査)
主に膵がんを疑う所見が内視鏡検査で認められた場合に行います。この検査は、注射を刺す程度の太さの針で直接、病変を刺すことで腫瘍の細胞や組織を採取することができる検査です。細胞や組織は病理検査を行い、腫瘍の確定診断が可能となります。10mm以下の小さい膵がんを診断し、患者様に早期に治療を受けていただくことが可能となります。この検査を追加する場合は経過観察のため一泊入院が必要になりますので、事前に入院が可能かどうかの確認をさせて頂いております。
超音波造影剤検査(ソナゾイド造影検査)
NABと同じく、主に膵がんを疑う所見が内視鏡検査で認められた場合に行います。小さな気泡からなる造影剤を使用することにより病変の血流をリアルタイムに分析し、正確な診断に結びつけます。安全性の高い薬剤ですが、鶏卵にアレルギーがある場合は造影剤の使用で副作用が出る可能性がありますので、あらかじめお申し出ください。
ソナゾイド造影による早期すい臓がん診断
血流や腫瘍内の血管に流れる造影剤を、リアルタイムで観察し、腫瘍の診断を行います。
検査の手順
上部消化管内視鏡と同じです。こちらをご参照下さい。
膵臓がんになりやすい(超音波内視鏡をお勧めする)方
通常よりも膵臓がんのリスクが高い方にお勧めしております。
※膵疾患ガイドライン2013より
合併症
超音波内視鏡:EUS関連の検査では稀に出血・穿孔・ショックなどの偶発症を起こすことがあります。全国集計では偶発症の頻度は0.024%程度です。EUS-FNAで組織を採取した際には出血・感染・穿孔・膵炎・門脈閉塞などの偶発症を起こす場合があり、その頻度は0.5-2.5%と言われています。その際には追加の治療や入院の延長・緊急手術などの可能性があります。ご不明な点や心配なことにつきましては、ご遠慮なくお尋ねください。