検査の概要
モニター上で通常の内視鏡の約100倍程度の高解像拡大画像を得ることができます。胃がんなどの腫瘍性病変は通常の胃粘膜と比較して、細胞の縁取りや内部の血管に変化が生じます。拡大内視鏡とは狭帯域光観察(NBI)という特殊な光を併用して、細胞や血管レベルで腫瘍を診断することができます。
主に食道・胃・十二指腸・大腸の腫瘍に対して行われる検査であり、それぞれ観察方法が異なります。これにより小さながんを発見できる確率が大幅に上がることに加えて、病変の広がりや深さをある程度、正確に見極めることができます。
当院では内視鏡機器(G2F-240)を用いているため、検査中に必要があれば、ボタン一つで切り替えて詳細な検査をすることが可能で、早期がんであれば内視鏡で切除することが可能です。
詳細な検査
食道NBI併用拡大内視鏡
特殊光(NBI)を併用した拡大内視鏡を用いて、主に血管の太さ・長さ・不整・血管のない領域を観察することで、早期食道がんを発見しやすくします。また、病変の深さをある程度予想することで適切な治療を選択することができます。
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD/手術
- B1血管:EP/LPM(最も浅いがん)
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESDで切除可能 - B2血管:MM/SM1
リンパ節転移の可能性があるため、内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESDもしくは手術治療 - B3血管:SM2以深
深いがんであり手術治療が必要。正しく診率出来る確率は90%前後と言われています。
胃NBI併用拡大内視鏡
特殊光(NBI)を併用した拡大内視鏡を用いて、主に細胞の縁取りの不整・血管の太さ・血管不整を観察することで、早期胃がんを発見しやすくします。また、病変の範囲をある程度予想することで適切な範囲でのがんの治療が可能です。
- 粘膜辺縁の模様:MS pattern
MSのirregularity(不整合)を観察
癒合/不整/消失などの所見が観察できる範囲が癌の範囲となる。 - 血管模様:MV pattern
MVのirregularity(不整合)を観察・大小不同/口径不整などの所見が観察 できる範囲が癌の範囲となる以上を考慮して - 腫瘍ライン:DL(Demarcation line)
粘膜辺縁の模様と血管模様により腫瘍のラインを決定する→腫瘍の範囲が正確に分かることで内視鏡治療での取り残しを防ぐことができる。 (正診率80-90%程度)
大腸NBI併用拡大内視鏡/大腸pit pattern診断
特殊光(NBI)を併用した拡大内視鏡もしくは、ピオクタニンと呼ばれる特殊な染色薬を用いて、主に血管の太さ・血管不整および、細胞の縁取りの不整を観察することで、早期大腸がんを発見しやすくします。また、病変の範囲を予想することで、適切な範囲でのがんの治療が可能です。
大腸pit pattern診断(ピオクタニン染色)大腸粘膜の模様により、ある程度の診断と正確ながんの範囲診断が可能です。
I:正常粘膜
II:過形成ポリープ
IIIs/IIIL:腺腫性ポリープ
内視鏡的粘膜切除術EMR
IV軽度不整:浅い-やや深いがん
内視鏡的粘膜切除術EMR
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD
V軽度不整:浅い-やや深いがん
内視鏡的粘膜下層切開剥離術:ESD
VI高度不整・ⅤN(無構造) :深いがん
大腸手術
正しい診断率は90%以上といわれています。