適応となる疾患
以前は、重症急性膵炎後などに形成される仮性膵嚢胞に対して、感染傾向などの症状がある場合は外科手術が施行されてきました。近年、超音波内視鏡の発展により、胃内より超音波で嚢胞を観察することができるようになり、透視検査を併用した、内視鏡的ドレナージが可能となりました。これにより感染した仮性嚢胞で、発熱や疼痛を繰り返す方に、お腹を切らない内科的な治療が可能となります。
方法
ステントを留置することでのう胞内から膿や感染壊死物質が消化管内に流れ出ることでドレナージが可能となり、感染のコントロールができます。
手術日程
基本的には入院した上での治療となります。当日は朝から絶食で検査を受けて頂きます。処置時間は膵嚢胞の大きさ、場所にもよりますが、おおよそ30分前後となります。
合併症
- 術手技による出血や腹膜炎、気腹症
- 内瘻ステントの閉塞、迷入
- 胆嚢誤穿刺
それぞれ10%前後の合併症が報告されています。限局的な腹膜炎や出血、穿孔、腹腔内気腫などでの致死的な合併症の報告もあります。内視鏡手技とはいえ、年齢や基礎疾患によっては命に関わる可能性もあります。この方法の利点は、手術をせずに感染嚢胞のコントロールが出来るところです。詳しくは、ご遠慮なく当院にお問い合わせください。